企画・企画書のヒント−“なぜ”から考える55−なぜ、品格が受けるのか?
それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。
しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。
●なぜ、品格が受けるのか?
人(日本人)は、上品さに弱いのである
<見方>
最近の本の売れ筋の中で目立つのは「品格」という言葉がつくものである。『女性の品格』の次は、『親の品格』や『会社の品格』が売れているようだ。この流れの最初は、『国家の品格』だった。
オンラインショップのアマゾンで「品格」で検索してみた。たくさん出てくる。『男の品格』『子どもの品格』『父親の品格』『企業の品格』『トヨタの品格』、中には『腐女子の品格』なんてものもある。この逆説的な言葉の使い方は何でしょうか? 品格本はまだまだほかにもいっぱいある。
出版業界では、ヒット作が出ると、二番煎じは当たり前で、何番煎じまでいくかわからないぐらいまでいくことがあるが、この品格煎じは、その1つであろう。
藤田田氏は、著書の中で、店員がネクタイを絶対を売ることのできる言葉を見つけ、それでブランドネクタイの販売を拡大したと言っている。その言葉とは「上品ですね」である。お客様が、ネクタイを買うか買わないか迷っているとき、どの柄にするか迷っているとき、この言葉を店員が言うのである。お客様が、数あるネクタイの柄を見ると、どれが一番よいのかなってことは、自分ではわからない。その迷いが、結果買わないという行為に結びつく。だから、上品ですねという言葉は、今自分が、この柄のネクタイを買う理由になるのである。このうん十年前の認識は、今でも強く生きている。
品格という言葉の中のキーは「上品」さである。品格という言葉の中で、上品さを求めている。日本人は上品さに弱いのである。「ダメなものはダメ」ということを言っている『国家の品格』が、上品であるかどうかは別の問題になると思うが、上品な国家や、上品な女性、上品な会社、上品な親には、多くの人が興味をもち、自ら志向し、そういう組織こそ、自分の居場所にしたいのである。
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