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2007年11月21日(水曜日)

企画・企画書のヒント−“なぜ”から考える26−なぜ、家やマンションの間取りはどれも似たりよったりなのか?

カテゴリー: - hagiri @ 07時35分50秒

それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。
しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。

●なぜ、家やマンションの間取りはどれも似たりよったりなのか?

効率性が重視されて、多様化する人々の暮らしに着目していないからである。

<見方>
相変わらず、家やマンションの折込チラシや広告は多い。それらを見ていると、どの家やマンションも似たりよったりである。同じような間取り、同じような外見・・・。なぜ、このような同じような家やマンションに、人は3000万とか4000万も出すのだろうか? 私は賃貸マンションに住んでおり、賃貸派ではあるが、どうも買う気がしない。

ジョギングをしていても、おもしろくない。私は、10キロほど遠くまで走って行くことがある。自宅周辺はもちろん、実家、カミさんの実家、旅先でも走る。いろいろな住宅街を抜けていくと、大きな家は目に付くが、おもしろそう、楽しそうと感じる家は、わずかしか見たことがない。それほど、どの家もマンションも同じである。もっとも街並みからして同じであるが。

少し前に、マンガ家の楳図かずおが「新築する家の模様が異様である」として近所の主婦から訴えられていた。私にとっては少しも異様ではないが、この主婦の感覚では、家はこういうものであるという考え方が極端に狭いのであろう。そういう狭い感覚で、人をとらえるのだから、たまったものではない。私が公道をジョギングしていたら、ここは運動するところではないですよと、この主婦なら言いそうだ。楳図かずおが勝訴して当然である。

同じような家やマンションというのは、効率性に基づいている。建築的な意味での効率性。しかし、その結果できる同じような家に住めば、同じような行動様式になる。三浦展がいうように、家族とは再生産されるものなのである。

同じような家やマンションは、高度成長期のマスマーケティングの名残である。郊外に住み、そこから夫は会社勤め、妻は専業主婦という、ある幸せ家族のイメージが元になっている。そんな時代は、とっくに終わっているのに、家やマンションは、その流れの中に依然としてあるのである。周囲との環境や調和という考え方もあるが、これも平均という考え方のバリエーションである。

現在は、もっと人の生き方は多様化している。元になるビジネスの変化が激しいから、働き方も変わってくる。そして、夫婦関係も変われば、家族関係も変わる。だから、住居も、間取り、それぞれの空間、そして空間のつながりももっと変わってもよさそうである。暮らすことがもっといきいきと感じられる住宅の在り方はあるはずである。同じような家やマンションからは、そのような考え方はでてこない。

余談だが、昔の家には、形容するのが難しい何かがあった。子ども心に怖いものならば、汲み取り式便所がそうだった。夜の明かりの暗さもあった。家の2階でおかいこを飼っている家では、おかいこが食べる桑の音が子守唄になった。そういうものを復活しろなどというつもりはないが、家の中は、今みたいに均一ではなく、もっとゆがみというか、暗さ、怖さ、得体のしれないものが、あったのである。


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