自著『世界一わかりやすいWebマーケティングの本』未使用原稿10−「ビジネスモデル特許」
『世界一わかりやすいWebマーケティングの本』で、
ページ数の関係で、
Webマーケティング視点から見た重要性の順序から、
使用しなかった原稿を紹介しています。
本書の目次については、以下をご覧ください。
http://relation-m.com/modules/wordpress/index.php?p=472
■新たなビジネスを創出する「ビジネスモデル特許」
Webにあるビジネスモデル特許
ビジネスモデル特許には、どんなものがあるか?
Webビジネスをはじめるときに、それが企業サイト、情報サイト、ショッピングサイト、コミュニティサイトなどの形態に関わらず、どんな形であっても、Web上でのいろいろなしくみややり方を検討することになります。そのときに考えたしくみや機能が、既にビジネスモデル特許としてどこかの企業が申請されたものである場合があります。あるいは、自社がビジネスモデル特許を取れる可能性もあります。
「ビジネスモデル特許」とは、「ITを利用してビジネスを実現する発明されたしくみに対して与えられる特許」です。
IT業界でとくに話題になったのは、Priceline.com社の「逆オークション」特許や、OpenMarket社の「ショッピングカート」特許、Amazon.com社の「ワンクリック」特許などです。それぞれ、特許の内容をみてみましょう。
▼▼▼ビジネスモデル特許には、どんなものがあるか?
「逆オークション」特許とは、売り手ではなく、買い手が欲しい価格を提示して、その価格を基準に売り手が買い手に対して価格を提示していくというしくみです。
「ショッピングカート」特許は、ショッピングサイトで広く使われている、購入したい商品を「カート」や「買い物カゴ」に追加していく機能です。
「ワンクリック」特許は、サイト内で購入したことのある人の情報をクッキーやデータベースなどを使って記録して、次回購入時には、購入者の配送先や支払方法などの情報をワンクリックで呼び出し、簡単に購入手続きができるしくみのことです。
ということは、これらのビジネスモデル特許は、多くのサイトが活用しているしくみといえます。これらの特許にあたるしくみを使用しているサイトは現在、特許を持っている企業に特許料を払っているのでしょうか? 多くは、払っていないと思われます。というのは、ビジネスモデル特許の有効性については、現在、確定しない部分が大きいのです。実際、これらの特許を元にした紛争は、ほとんど起こっていないのです。
しかし、実際には「ビジネスモデル特許」は存在しますし、いつどこで紛争が起こるかもわからないのです。「ビジネスモデル特許」自体の存在は知っておくべきでしょう。
▼▼▼ビジネスモデル特許の取り方
そんな状況でも、ビジネスモデル特許を「とりあえず出願しておく」という企業は今でもたくさんあります。出願件数は、ビジネスモデル特許が注目された2000年前後に比べれば減少はしていますが、大手IT企業を中心に出願しているようです。これは、自社の権利を守り、主張するためです。
それでは、自分で考えたしくみや機能が画期的なものである場合、特許はとれるのでしょうか? とくに中小企業では、画期的なビジネスモデル特許が取れれば、強力な武器を手にしたことと同じ効果があります。
ビジネスモデル特許は、ソフトウエア特許の範囲のもので、特許権を取るためには、通常の発明と基本的には同じです。
そのときに、ちょっとむずかしいのですが、「情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に利用されている」ことにおいて、発明であること、進歩性があること、が特許が取れるかどうかの基準になるようです。
ただ、具体的な判断はむずかしいところがあるので、弁理士等の専門家に相談することになります。
期間的には、特許は出願から審査を経て登録されるまでに二〜三年ほどかかります。
■ネット上でのご購入
以下のサイトからご購入いただけます。
・amazon
世界一わかりやすいWebマーケティングの本 | |
羽切 徳行 by G-Tools |
・ビーケーワン
イースト・プレス (2006.10)
通常24時間以内に発送します。
・セブンアンドワイ
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31776222
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