『メルロ=ポンティ入門』船木亨著を読む
経験価値マーケティングが、その対象を人の経験にむけるとき、
マーケティングの側から領域としての哲学へ接点ができる。
つまり、経験価値マーケティングにおいて、
経験という観点から人を見る、分析するときに、
人というものを、人がおかれている、
時間、空間、モノ、コト、商品、サービスとの関係において
とらえようとする。
このとらえかたは、哲学そのものなのである。
かくして、経験価値マーケティングに対して、
今までのマーケティング理論にないほど、
価値を見出している私は、
自らに封印していた哲学的な領域に踏み込むことを、
少しだけ再開しよう。
といっても、私はビジネスマンであり、
プランニングディレクターという立場なので、
純粋に哲学するのではなく、
あくまでも目指すのは、経験価値マーケティングにおける
哲学的な見方の活用にある。
哲学に関するこの辺のスタンスは、
昔とは当然異なってくるのである。
なので、書評は、必ずその視点で書くことにしよう。
ということで、読み始めたのが、『知覚の現象学』を書いた
メルロ=ポンティの「入門書」である本書である。
と思っていて、読み終わって、書評を書こうとしても、
この本について書くことは難しい。
いや、哲学の本について書くことは難しいのである。
これは、この類の本の宿命である。
それでも、本を読んだら、必ず書評をブログに書こうと決めたので、
書かないといけない。
そこで、この類の本の書評に関して、
書くべきスタンスを決めておこう。
つまり、哲学書の類は、理解することなど必要ない。
理解できることに越したことはないが、理解できなくても、
その中で、何か感じる、ヒットする、参考になる言葉を
部分的にでも見つけること、それだけでもいいことにする。
だとしたら、この本から見つけることは何か?
この本で語られるテーマは、
ヒーロー、愛、思考、ことば、しぐさ、などである。
そうした中で、
私は、この本では、人をこういうふうにとらえていると思う。
例えば、ことばを発するという行為は、
説明しようとする言葉を語りながら、
自分が思う以上のことばをしゃべってしまうものである。
つまり、しゃべるという行為は、
世界についての働きかけであるが、
それは、自ら世界を変えていく行為なのである。
これは、しゃべることだけでなく、
行為すること、経験するすべての行為のことを言っている。
だから、主体的に考える、行為することが、重要であると。
それを、ヒーロー、愛、思考、ことば、しぐさなどを通して、
語っていると思ったのだが、どうであろうか?
この本では、それをどこまでがメルロ=ポンティが言ったことで、
どこからが、著者の船木亨が言ったことかは厳密にはわからない。
★3つ ★★★☆☆
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