『ファンサイト・マーケティング−企業のファンがネットの「クチコミ」で増えていく!』日野佳恵子著を読む
インターネット上において、あるテーマに即して、
人が集まってコミュニケーションする場を
コミュニティサイトだとすれば、
ファンサイトとは、ある企業が、
自社と顧客とのコミュニケーションを行い、
長期的な関係を築いていくことのできる場のことをいう。
この本に掲載されている事例に基づけば、
ファンサイトとは、ダスキンの「ビビサージュ」であったり、
「ベネッセウィメンズパーク」、
自動車メーカー・マツダの「マツダウェブメンバーズ」などである。
企業にとって、会社案内サイトとは別に
インターネットで自らアクセスしてくる顧客と、
積極的にコミュニケーションを行うことが可能なファンサイトは、
ダイレクトコミュニケーションによって、
顧客の生の声を聞くことができる、とても重要な方法なのである。
この場合、企業と顧客とのコミュニケーションができればよく、
顧客同士のコミュニケーションはなくてもよいという。
この本に全体的ににじみ出ているのが
著者のとても堅実な考え方である。
ファンサイトは、マーケティングサイトであって、
やればすぐに儲かるような仕組み、販売サイトではないこと。
つまり、売るための仕組みを考えるよりも、
まずファンサイトを育てることが大切であること。
そのため、全社的な取り組みと、
取り組み内容が組織横断的になるため、
専門部隊を作成したほうがよいこと。
調査など、対象者の絞込みの簡単さや、
調査コストを抑えて実施できるメリットがあること。
効果も、マーケティング課題に即して測定すること。
などから著者の姿勢を見ることができる。
ファンサイトは、企業サイトにとって、
インターネット活用のキモであろう。
貴社のファンサイトを作ろうと思ったときに、
参考にしたい1冊である。
★4つ ★★★★☆
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