父が他界することの意味
祖父母やおじ、おばなどが亡くなるのと、
父が亡くなるのは、
やはり、あまりにも違う。
私は、親元を離れて暮らして、
20年以上になる。
実際の生活の中で、
最近は盆、正月ほか特別のときや、
旅行などに一緒に行ったりしても、
親と関わることは、そうは多くない。
でも、離れて暮らしていても、
親という存在は、もっとも近く、あまりにも大きい、
ということは父を失い、実感することができる。
それは、父親を失ったばかりの今は、
自分がとても不安定であるということからわかる。
少しずつなくなってはきたが、
今のこの居所のないような、
いたたまれないような
安定しない気持ち、気分は、
自分の中で父親とのつながりが消失したことを、
現実として受け入れられないという不安定さ
なのではないだろうか?
少し話しをずらす。
大抵の場合、夫婦で先に死ぬのは男だ。
それは、瞬間的な体力ではまさる男より、
女の寿命が長いのは、
人としての根本的な生命力の違いだと思っていた。
子どもを生むということに関係する
本来備わっている女の生命力だ。
ただ男が女よりも先に死ぬのは、
ほかにも理由があるのではないかと
父が他界して思った。
何人かの人と話をしていて共通していたのは、
父親よりも母親が亡くなったときのショックは、
比べようもないくらい大きいということである。
ある人は「あのときはとことんまいった」というし、
別の人は「希望も生きる元気もなくなった」という。
母親を失うことの不安定な感覚は、
想像以上らしい。
私も、多分そうなりそうである。
だから、そうならないないように思っている母は
往々にして長生きしてくれているのだ。
父親側から見れば、
父親を最初に失うことは、
親がなくなる感覚をまず経験させる。
そして、きたる母親を失うことに備えさせる、
母親を失うショックを少しでも軽減させる、
という意味があるのではないだろうか?
父親の死の意味は、
こんなところにもあるのかもしれない。
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