『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』小林 雅一著を読む
ペッパー、自動運転自動車など、AI(人工知能)の最近の進展は目覚ましいものがあります。
そんなAIの最先端の現状、課題、展望を、コンパクトにまとめているのが本書です。
軍事から医療、ビジネス、将棋、アートまで、世界の事例も豊富に紹介されているので、人口知能をより身近に理解することができます。
AIは、著名な科学者たちが予言するように人類を滅亡させる怖さをはらみつつ、タンパク質を発見してしまうような科学的な成果をもたらし、もっと身近なレベルでは介護のようなサービス労働に貢献するようなあり方など、その展開はまさに多種多様です。
AIはすべての産業分野に関わってくる問題なのです。
そして、それは、当然のようにどこの企業が主導権を握れるかという世界における覇権争いにつながります。現在リードしているのはもちろんグーグルです。世界の優秀なAI研究者を集め、さまざまな研究、プロジェクトを行っているようです。
AIの核ともいえる技術が、AI自ら学んでいくというディープラーニングです。もう、AIは人間から与えられたプログラムを実行するだけではないのです。自ら学び成長していくというのですから、おそろしいです。
AIは、芸術アートの世界にも入り込んできています。人間は、コンピューターが作った音楽と人間が作った音楽を理解できないそうです。
芸術アートというような感性、感覚が重要と思われる創造行為においてさえ、AIは、人間を凌駕するかもしれないのです。AIのおそろしいほどの「創造性」の力を感じます。
AIは、これからどうなっていくのか、目が離せません。
★5つ ★★★★★
ツイート |
『しんがり 山一證券最後の12人』清武英利著を読む >>
34 queries. 0.026 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress