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2015年6月26日(金曜日)

『なめらかな社会とその敵』鈴木健著を読む

カテゴリー: - hagiri @ 07時55分58秒

だれもが自明なことと思っていても、実はそうではなかったということは多いものです。

かつて、だれもが音楽は家で聴くものと思っていましたが、ウォークマンが発売されると、音楽はどこでも聴けるものになりました。

ビジネスのイノベーションによって自明なことが自明なことでなくなることは、よく起こります。特にインターネット時代においては、無料で音楽が聴けたり、無料で海外の人と連絡がとれたり、より頻繁に起こっているといえるでしょう。

本書は、ビジネスレベルではなく、それをもっと大きく社会レベルで起こそうというものです。

メインとして提起されているのが、価値が伝播していく伝播投資貨幣PICSY、個人の責任を軽減する分人民主主義Divicracy。

そうしたシステムにおいて、私がポイントだなと思ったのは、「個人の一貫性を強要し、共同体の固定化や国家の絶対化を実現してしまう個人という仕組みを解体する」ことにある、というところです。だれもが自明なことと思っている個人、そこから派生する個人の責任から、いかに人を開放してあげられるか。

個人ということを、現代社会のもっとベタなレベルでみてみると、貧富の格差の拡大、未婚率の上昇などが起こっています。それらの根底には、現代人は、個人であることをもてあましているのではないかと私には思えます。

そんな状況で、本書で提示されているプランが実現できたら、どう機能するのか、個人にどんな影響を与えるのか、とても興味深いところです。

貨幣や民主主義の改革は一筋縄ではいかないものなので実現の難易度はかなり高いものですが、提示されているプランは、たたき台として現代社会において検討してみる十分な価値があるように思えます。

本書は「この複雑な世界を、複雑なまま生きることはできないのだろうか」という文章で始まります。この冒頭の文章の意味は深いでしょう。

★4つ ★★★★☆

なめらかな社会とその敵

なめらかな社会とその敵 [ 鈴木健 ]


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