『ツイッター創業物語』を読む
私はスタートアップ時の企業と関わることも多いのですが、始まったばかりで、人数も少ない組織なのに、すでに内部の人間関係が相当こじれていることも多々あります。
将来成長見込みのある事業のスタートアップ時に参加しているにも関わらず、参加しているすべての人が、事業に強い意欲を持っているわけでもなく、価値観や考え方に全面的に賛同しているわけでもありません。その上で、個人間の相性や言動のちょっとした行き違いなどがあると、ますます溝が深まっていくわけです。
外部からみていると、もっとまとまらないものだろうかと思うのですが、中心人物が強力なリーダーシップをうまく発揮しないと、なかなか一体化するものでもありません。
ミニブログとして世界を今だ席巻しているツイッターも、そんなスタートアップ時のまとまりのなさがあったことが『ツイッター創業物語』を読むとわかります。
ツイッターのようなシンプル(と思える)事業で、サイトコンセプトという事業の出発点においてさえ、創業者間でコンセンサスが取れないのです。その上で、運営方法となれば、意見の一致などを見ることなどないでしょう。その辺のいきさつが細かく書かれています。
サイトコンセプトや運営方法だけでなく、CEOさえ、めまぐるしく変わっていったツイッター。突然の裏切り、CEO解任劇。社内の混乱は、サーバーの不備を招き、サイトが止まってしまうという事態に及びます。
私は2007年6月にツイッターに登録しましたが、サイトが止まってしまったときに、ツイッターの運営会社では、内部でこんないざこざが起こっていたのかと本を読みながら思いました。内部の問題は外部に現れるんですよね。
そんなまとまりのなさがあったにも関わらず、それらを乗り越えて、ツイッターは成功しました。
サイト的には、簡単にできて、人々を惹きつけるインターフェイスがよかったのは確かですが、ビジネス的にみると、すでにブロガーの開発でネット業界で名をはせていた人物を引っ張ってきたということが大きいと思えます。それにより注目を集めることができました。アイデアだけでは、成功できなかったでしょう。
スタートアップは難しいものですが、ツイッターのような成功事業であっても、それは例外ではなく、スムーズに事業を運営しているわけではないということがわかる本になっています。
スタートアップ、新事業開発に興味のある人は読んでおきたい本になっています。
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