企画書・提案書作成代行のご相談を受けていますと、いろいろな方がいらっしゃいます。

一番多いタイプは、最初にポイントだけ説明し、できそうかどうかを確認してくる方です。私は提示されたポイントに基づき、話を詰めていくというパターンになります。

少ないタイプですが、ファーストコンタクトで、すべての情報、データを送ってきて、できるかどうかを確認してくる方もいらっしゃいます。展開としては、一番スムーズに進むパターンです。私も一番やりやすい展開ですが、出す側としては、なかなか、最初からそこまで情報は出せないという事情はあります。初めてご依頼されるような場合に、会ったこともない人にどこまで情報を出せるかということです。しかし、初めてであっても、既に、世の中に情報がすべて出ているビジネスであれば、ファーストコンタクトで情報提供しやすくなるようです。

そして、めったにないタイプですが、情報がないだけならまだしも、考え方も方向性もないという方も、いらっしゃいます。打ち合わせをしていても、どういうビジネスをしたいのかが分からないパターンです。

例えば、実際にあった話をアレンジして説明しますと「たこ焼き屋さんビジネスをしたい」という方がいました。お会いして打ち合わせをしてみても、あまり自分から話をされない方なので、こちらから質問して話を聞き出すことになります。対象はだれか、コンセプトは、どういう強みがあるのか、どういうタコ焼きなのか、お店の特徴は、ビジネスをどういうふうに展開していくのか、などなどです。しかし、こちらが質問をしても、明確な答えが返ってきません。

この方の打ち合わせしているときの雰囲気や対応から察しますと、基本的なビジネスの素養があまりない上に、多分、「お前は企画のプロなのだろうから自分で考えろ」ということなのです。一理ある言い方ですが、企画書・提案書作成代行する側としては、やりたいビジネスのスキームをつかんだ上で、こういう企画書・提案書が欲しいのだなというイメージが最低限つかめないと、作成代行することは難しいのです。

こういったケースでも、企画書・提案書を作成するだけでよければいくらでもできます。私が自分でたこ焼き屋のビジネスをすると思って書けばよいのですから。ただ、ご依頼されるその方のやりたいビジネスに合わせた企画書・提案書になっているかどうかとなると、多分そうはなっていないのです。難しいというのは、そういう意味です。

家を建てるときに、お客様に対して、建築家が自分が建てたい家を建てても、お客様が満足しないのと同じです。優れた建築家なら、お客様の話を聞いて、どういう家を建てたいのか、家族構成は、家の使い方は、家族で大切にしていることは、などなど、細かくチェックして、そのお客様が住みやすい家を建てるはずです。お客様が満足することで、自分は満足することはあるでしょうが、決して自分だけが満足する家など建てないはずです。企画書・提案書作成代行サービスも同じことです。お客様が欲しい企画書・提案書を作成することが、その目的です。

以上のように、企画書・提案書作成代行サービスをご依頼をされる方は、業種・業態だけではなく、仕事の進め方や、情報やデータの出し方からして異なります。典型的な事例を３つほど挙げましたが、ご依頼者の情報量やまとめ方に限ってもそれぞれ違いますから、依頼の仕方は案件ごとに異なってくるものです。

必要な情報がすべてそろっていて、それがうまく分かりやすくまとまっていることがベストです。しかし、情報やデータがない場合でも、企画書・提案書のページ構成に基づいて、何をやりたいか書きたいかが分かる簡単なメモがあれば、それでも十分に対応できます。

要は、その方のやりたいビジネスがあって、どういう企画書・提案書が欲しいのかということが、私どもに伝われば、企画書・提案書作成代行は可能です。