企画・企画書のヒント−“なぜ”から考える83−なぜ、グーグルはすごいのか?
それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。
しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。
●なぜ、グーグルはすごいのか?
常にバージョンアップを行い、検索の精度を高めているからである。
<見方>
ニュースで、グーグルの2008年第1四半期(1〜3月)の決算を読んだ。売上高は51億9,000万ドル(前年同期比42%増)、営業利益が15億5,000万ドル(同46%増)、純利益が13億1,000万ドル(同31%増)という驚異的な数字をたたきだしている。
同じ週のニュースで、グーグルの幹部は、めったに口にすることのない検索アルゴリズムについて言及していた。そこにはこんな言葉があった。グーグルは、2007年に検索アルゴリズムを450回変更していると。
違うニュースリソースだが、もちろんこの2つのニュースはつながっている。450回も変更したから、この利益をたたき出したのだと。
少し組織が大きくなると、今成功していることを変更することには、困難が伴う。その理由は人の意識が今成功しているやり方にしがみつくからである。そして実際、変更しなくても、ある程度の成功を続けられることが保守派を勢いづかせる。それが、普通の組織である。
しかし、グーグルは違う。より高みへと向かう。アルゴリズムというビジネスモデルが、それを可能にしているというのもあるだろう。そうであっても、なかなか今の成果を超えていこうというのは難しい。そこには、どんなに組織が大きくなろうとも、決して止めてはいけないという掟のようなものがあるのかもしれない。
450回といえば、1日2回以上のバージョンアップをしていることになる。毎日、毎日、何人、何十人もの人が、コードとにらめっこしているのだろうか? そこには、メジャーバージョンアップもあれば、多くのマイナーバージョンアップがあるのに違いない。しかし、大切なのは、常にバージョンアップを行い、検索の精度を高めていこうという意思である。
私は、小さな企業でも、数か月のうちに、ビジネスをしながらでも50回ぐらいバージョンアップをすれば、あるいは、バージョンアップをするぐらいのこだわりがあれば、軌道にのっていくチャンスが広がると思っている。巨大な組織になったグーグルでさえ、実際それをやっていたのである。グーグルの強さの秘訣を参考にしたい。
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