『シリコンバレー・アドベンチャー−ペン・コンピューターに賭けたぼくたちの会社創造ゲーム』ジェリー・カプラン著を読む
1990年代前半における、
コンピュータースタンダードをめぐる、
ノンフィクションのビジネスストーリー。
著者は、キーボード入力に替わる、
ペン入力コンピューターのアイデアを元に、
会社を起こす。
しかし、5年以上にわたって、
会社を継続しながら、
結局、満足のいく製品をだせないまま、
会社から身を引くことになる。
その間使ったお金は7500万ドル。
IBMやATT、
マイクロソフトやアップル、
投資家やファンドと
連携、対立し、腹を探り合いながら、
お金を引き出してきた。
一時は、
コンピューター業界で話題を独り占めし、
将来性については、
だれもがその未来を信じていたほどだった。
それが、失敗した。
その、まっただ中にいたはずの著者なのに、
なぜ、そうなったのかの原因は、
この本を読むかぎり、あまりわからない。
製品が複雑になりすぎて、
いつまでたっても完成しそうにない、
パソコンシステムが複雑になっていく中で、
それに見合うペン入力システムができなかった、
ということには言及されている。
それでも、できるところで素早く商品を完成させて、
資金の回収を急がない(ようにみえる)ところは、
致命的にしかみえない。
ベンチャー企業にとって、
もっとも重要なところが抜け落ちていた、
ということだろう。
★4つ ★★★★☆
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