企画・企画書のヒント−“なぜ”から考える68−なぜ、花粉症がはやっているのか?
それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。
しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。
●なぜ、花粉症がはやっているのか?
人には、気づくことのできないことがあることを教えているのである。
<見方>
花粉症の季節はつらい。クスリで緩和できるものの、目のかゆみだけは、どうにも我慢がならない。ジョギングも、控え目にするしかない。走ることさえできないなんて、とても悲しい。
これだけ花粉症で悩む人が増えると、花粉市場は大きくなる。経済活性化に貢献する。しかし、こんな経済貢献を、だれが望むのだろう。一部の経済成長率だけを気にする人だけである。
あるマーケティング関係者は、自分が担当する花粉グッズが売れるように、天気予報を見て、もっと花粉よ飛べと祈ったということをブログに書いていたが、そんなのはマーケティングではない。つらい人が増えることを希望するマーケティングは、マーケティング失格である。この場合のマーケティングは、花粉症の人が、気持ちよく生活できるようにを希望することである。
それでも、マスクはもちろん、メガネや、スプレーや、医薬品、空気清浄機などが、この花粉のおかげで売れていく。我が家も空気清浄機をとうとう買ってしまった。布しかなかったマスクの、素材、形、機能など、現在のバリエーションの多さは、すごいものである。
ドラッグストアでは、入口あたりに特設コーナーがあるし、インターネットでは、花粉関連情報が盛りだくさんだ。ある調査では、平均して、1人が1シーズンに花粉対策に1万5,000円をかけるというのだから、この市場の大きさがわかるだろう。ただ、花粉症にかける1万5,000円は、むなしい。
花粉症が起きる原因は、いろいろ言われている。現代人の体質変化、都市のヒートランド現象などである。そもそも一番の原因であるスギ花粉は、戦後の林業政策のもと、人工林として植えられた杉であるが、その後、海外産低価格木材が輸入されるようになり、国内木材が使われなくなって、今は花粉のみをまき散らしているといわれている。
いくらいい加減な行政であっても、スギを植えることが、これほど日本人を苦しめることになるとは、想像すらしなかったのに違いない。どのような規模で、スギを植えるかのシミュレーションはしても、そこまで植えれば、どのくらい花粉が飛ぶかなんてことは、想像すらしなかっただろう。花粉症という病気自体が、あとから見つかっているのだし、それを見つけるのは当然医者で、医者が林野行政に最初から関わることなどないのだから。
自然には、さまざな要素があり、その要素は複雑にからみあっている。そこに、人は、何らかの人智を駆使して、影響を与えていく。その影響力は強大で、その一番大きなものが、経済活動である。しかし、そこには、人がどうあがいても、優秀な人がどんなにいっぱい集まり優秀な知恵を寄せ集まっても、気づくことのできないことがある。花粉症とは、そういうものの中の1つではないだろうか。
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