つまり、キーとなる単語や文章が、
あるかどうかである。
キーとなる言葉がある本でも、
著者が意識的に何回も使用している本もあれば、
1回しか出てこない本もある。
1回しか出てこないのに、
それをキーワード、キーフレーズとして、
読む人に認識させてしまう本は、
核となる考え方がきちんとあって、
その上、全体の構成力がしっかりとしていて、
力がある本である。
そもそも、このようなキーとなる言葉があることは、
マーケティングそのものなのである。
つまり、マーケティングでいえばコンセプトであるが、
マーケティングの関わる本であるならば、
マーケティングの専門家が書いているので、
当然、本のコンセプトがあってしかるべきなのである。
この本は、インターネット・マーケティングの本であるが、
私には、キーとなる言葉を見つけることができない。
そもそも、
「インターネット・マーケティングとは何でしょう」という
この本の出だしは、あまりにも暢気すぎはしないだろうか?
インターネット・マーケティングの黎明期ならともかく、
本書は、2005年8月という、
インターネットがメジャーなメディア、ツール
となっている時期に書かれているのだ。
それなら、いくら入門書とはいえ、
もっと著者なりの見方、考え方を
披露してもいいのではないだろうか、
と思ってしまうのである。
もっというと、「入門」したい初心者向けの本なのだから、
初心者に対して「何でしょう」という、
聞くような言葉を最初に使うことはないと思うのである。
この「何でしょう」という言葉と、
キーとなる言葉がないことは、とても関連している気がする。
どうも、この手の私の専門分野に関する本になると、
自分でも、厳しい目で見てしまうようだ。
それでも、新書版というどこでも読める形態なので、
インターネット・マーケティングについて、
概要を知りたい人であれば、
それなりの知見は手軽に得られるであろう。
★2つ ★★☆☆☆
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