この本は1985年に書かれたものだが、
経営学がここまで行っていたことを
知らなかったことが、恥ずかしい。
なんで、だれも教えてくれないの?
その魅力は、人であることの可能性、創造性から、
経営を見ていることに尽きるといってよい。
読んでいて楽しい、わくわくする、
本は、これでなくてはいけない。
ビジネス書も例外ではない。
この本の最初のほうでは、
フォードから始まる経営手法、理論の歴史が述べられるが、
当然、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の
話が出てくる。
その戦略構築の手法は、
実際にたくさんの企業でかなりの成果を上げた。
私も、いろんな本で、このPPMは何回読んだかわからないし、
実際の仕事でも、成長率とシェアから市場を見る見方は、
常に頭に入っていて判断している。
しかしながら、私にとっては、
学校の教科書で勉強するのに似て、
必要な見方以上のものは感じることができなかった。
その理由が、野中の経営論を読んで初めてわかった。
人をどのように扱うかがないのである。
野中の経営論における組織は、
西田哲学など、いろいろな哲学的な言説から説明されることも多い。
もし、それを難しく感じるのなら、
いろいろな人やコトが組織に中で影響しあって、
組織が変わっていく、という程度で理解しておけばいい。
文庫版の裏表紙に「経営学のパラダイムに大転換を促した名著」、
とあるが、その通りである。
★5つ ★★★★★
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