『一億三千万人のための小説教室』高橋源一郎著を読む
かつて、私にとって、
この著者が書いた小説は、
何度も繰り返し読むことができた
数少ない小説であった。
しかし、著者の一連の小説よりも、
『文学がこんなにわかっていいかしら』など
批評本?のほうがおもしろく感じたものだった。
そして、この本もまた、
サンプルとして取り上げられる小説よりも
著者が説明する解説のほうが
おもしろく感じてしまうのである。
この本では、
前半にあるNHKの番組で著者が小学校に行って
小学生に小説を教える話などは、
小説の魅力を存分に伝えていると思うし、
小学生に書かせた小説のサンプルなどは、
とても感動的ですらある。
そして、この類の本がどうしても
言及せずにはいられない
「小説の価値」についての話も、
未知なる世界を創り出すこと、
ということで言及できている。
小説をボールに例えて、
いろいろ説明するのも、おもしろい。
しかしながら、
後半部分を読んでいると、
40年間小説を読み続け、
自分以上に小説を読んだ人はいない
と自認する著者の、
小説世界という世界内にいることの世界の狭さ、
みたいなものをどうしても感じてしまう。
そして、この膨大な読書歴において、
単に読むだけではなく、
再読し、細部を見つめ、分解し、再構成するという
著者の小説への
あくなき研究と実践がもたらすインテリジェンスが、
にじみでてきてしまうのだが、
そのときに同時に、小説がアートの赤ちゃんといいながら、
このアートとしての小説の敷居の高さが出てきてしまう。
今でも「インテリ源ちゃん」ですよね。
とはいえ、この小説教室は、
著者ならではの視点と切り口、
そして、説明の仕方によって、
とてもおもしろい本になっていることは確かである。
といっても、これを読んで
小説が書けるかどうかは、
またもや別問題であろうし、
この本は、小説を書くきっかけを与えよう
としているだけなのである。
#読書時間 2時間
★5つ ★★★★★
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