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2006年5月7日(日曜日)

『イノベーションの本質』野中郁次郎、勝見明著を読む

カテゴリー: - hagiri @ 09時12分51秒

知識経営の野中と『ソニーの遺伝子』を書いた勝見の共著であるならば、
その個性は違いながらも、三塁手・野中、遊撃手・勝見という
絶妙な三遊間コンビである予感がするが、実際は、どうであろうか?

内容的には、おもに製品開発の13の現場のストーリーを、
「物語編」を勝見が「解説編」を野中が担当する
という分担で書いている。

13のストーリーを挙げると
・サントリー「DAKARA」
・本田技研「アコードワゴン」
・デンソー「二次元レーザーレーダーシステム」
・キヤノン「IXY DIGITAL」
・スズキ「チョイノリ」
・富士通「プラズマディスプレイパネル」
・ヤマハ「光るギター」
・黒川温泉
・日清食品「具多 GOTTA」
・松下電器「遠心力乾いちゃう洗濯機」
・ミツカン「におわなっとう」
・ジブリ「千と千尋の神隠し」
・海洋堂「食玩」

これらは、いわゆるヒット商品である。
ヒット商品の中には、イノーベーション(革新)がある、
というのが本書の基本的なスタンスである。

そのイノベーションは、これらの事例の中では、
いろいろな違うところで起こっている。
それは、コンセプトづくり、
技術、ユーザーの見方などである。

しかし、これらのイノベーションのストーリーを説明する中で、
共通する言葉を抽出するとしたら、
「絶対価値」と「弁証法」であろう。

この本でいう「絶対価値」とは、
競合商品と比べて優位性を追求するような
相対的な価値ではなく、
理想的な、求めるべき価値を決めて、
そこに進むその姿勢と実践を意味している。

「弁証法」とは、わかりやすく説明すると、
ある解決策があると、
それを社内の対話の中で、反対したり意見を言い合うことで、
最初の解決策とは違う新しい解決策が生まれる、
という新たな解決策が生じるようなプロセスのことを言っている。

つまり、「絶対価値」を「弁証法」によって追求し、
製品化に結び付けることがイノベーションにつながる、
ということなのである。

各ストーリーは、技術的な深い知見を持つ勝見と、
それを解説する経営のダイナミズムを感じる野中によって、
技術と知識がうまく組み合わされて
興味深く読める内容になっている。

★5つ ★★★★★


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