官公庁自治体入札を落札する「コツ」はあるのか?
お問い合わせを頂く時に、官公庁自治体の入札企画提案書を書くコツはあるのかと聞かれることがあります。
いつもはっきり「そんなコツはないです」と、お答えしています。
気持ちは分かります。
見本となる書き方みたいなものがあって、それに近い書き方をしていれば、点数が高くなるから落札しやすくなる、と考えるわけですよね。
背景には、最近なかなか落札できなくなっている、自社なりには工夫しているけれども他社は点数が高いのにウチはなかなか点数が上がらない、それはコツを押さえてないからだという風に考えるわけですね。
あるいは、もっと短絡的に、自社でいろいろ考えるよりも、そのコツさえ押さえて書けば落札しやすいと考えるわけですね(上司に忖度する部下のようなものでしょうか)。
しかし、よく考えて欲しいです。
入札の場合には大抵審査する人が何人かいますが、その審査員たちが同じように点数をつけるでしょうか?
違いますよね。
審査員たちは、公表されている項目ごとの審査基準に照らして自分で判断し点数をつけるはずです。
審査員たちが事前に集まって点数付けの基準を調整するなど考えられないですよね。
つまり重要なのは審査基準に合っているかどうかということです。
決してコツをつかんでいるかどうかではありません。
●コツをつかむという考え方自体がおかしい
そもそも論から言えば、コツをつかむという考え方自体がおかしいですよね。
そもそも入札というのは、公的な仕事であって、参加業者はそれを自社としてどうやるかという社会貢献的な意味合いが大きいビジネスです。
入札の内容にあわせて、自社の強みや特徴ややり方をうまく使えば、この公的な仕事に対してこれだけのことができます、ということを書くのが入札企画提案書なわけです。
入札案件に対して、真摯な態度で臨むならば、入札企画提案書には、決してコツを掴んだ内容と言うモノにならないはずです。
入札企画提案書に書くべきなのは、書くことを求められている項目に対して審査基準に照らして、自社であればどういう風にやるか、できるか、成果を挙げられるかという点こそが重要なのです。
そこにおいて、きちんと企画提案書を作成できている業者こそが、高い点数を獲得でき、結果的に落札できるのではないでしょうか。
●問題がある企画提案書
なかなか落札できず、コツを教えてほしいという業者の書いた企画提案書を見せてもらうと、企画提案書の内容や書き方に問題があることが多いように思います。
例えば、内容以前の問題として
・一見して、分かりづらい、読みづらい
・読んでみると文章が長く何回読み返しても理解しづらい
・言葉遣いが乱暴で傲慢な感じがする(多分、自信の表れ)
そして、内容を精査してみますと
・求められている項目にきちんと答えていない
・余計なことが書かれていたりする
・自社の強みや特徴を踏まえていない
以上のような問題があったりします。
もう何10年もやっていたり、ルーティンの仕事になっていたりすると、ついついコツみたいな考え方になってしまうのかもしれません。
しかしやはりそうではなく、自社はなぜこの入札をやるのか、という根本から考えて取り組むべきだと私は思いますね。
そうでなければ、落札できる企画提案書などできないはずです。
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