企画書・提案書を作成する際には、骨子となるストーリー作りに気を遣います。相手を出だしで引き込むことができるか、盛り上がりに共感してもらえるか、最後まで飽きさせないか、最終的にやろうという気にさせるかを念頭に、ストーリーを作らないといけません。

企画書・提案書作りにおいては、オーソドックスなストーリーというのがあります。市場環境の分析から入って、顧客層、方向性、考え方を決め、コンセプトやテーマを設定し、実施内容を説明するという流れです。事業企画、販促企画、営業企画などに使えるパターンであり、きちんと説明すべき企画では採用すべきストーリーです。注意点としては、あまり内容が薄かったりすると、冗長な感じがしてしまうことです。

もう１つの典型的なストーリーとしては、最初に結論を述べてしまい、その企画の詳細を説明していくというパターンです。どんな企画でも使えます。最初に結論を述べることで、相手がすぐに全体を理解でき、複雑な説明も理解されやすくなります。

オーソドックスなストーリーと結論を先にストーリー、どちらがよいのかは一概には言えませんが、実際に、私どもで企画書・提案書作成代行をする際には、結論が先のストーリーのパターンのほうが多くなっています。

それは、相手に理解されやすいほかにも、いくつかのメリットがあるからです。

まず、忙しい人向いています。忙しい人は、とかく結論を急ぐものです。結論をまず言え、と催促する人も結構いらっしゃいます。そういう方には、最初に結論を言うしかありません。

理解力のある人に向いています。１を聞いて10を知るという言葉がありますが、ちょっと話をしただけで、企画を理解してしまう人がいます。そういう方に、長々と企画を説明してもムダです。手短に説明するためには、最初に結論を述べて、相手の反応を見て必要な部分について説明できるストーリーのほうがベターです。

せっかちな人に向いています。プレゼンテーションしているときに、プレゼンする側が説明しているページではなく、先のページをどんどん見ていくせっかちな方がいらっしゃいます。このような方には、結論を先に言ってしまい、あとは相手の興味や関心に合わせやすい結論が先のストーリーのほうがスムーズに進行できます。

提案する側の事情やメリットがあります。提案する人がどちらを好むか、やりやすいかということです。性急な人や面倒くさがりの営業マンは結論が先の企画書・提案書を好みます。

また、初心者や初級者でも説明しやすいのが結論が先のパターンです。オーソドックスなストーリーの企画書・提案書ではある程度のプレゼンテーションノウハウが必要ですが、結論が先の企画書・提案書は簡単に説明することができます。

さらに、提案内容のポイントが、戦略やコンセプトなどよりも、価格や実施アイデアにおかれている場合などは、結論が先の企画書・提案書のほうが向いています。

オーソドックスなストーリーのほうがよい場合は、相手が根拠やデータ、理論、ロジックなどを重視する人の場合です。また提案する側も、きちんと１から筋道立てて説明したい企画では、採用すべきでしょう。

以上のように、企画書・提案書のストーリーは、提案する相手のこと、提案するこちら側のこと、提案内容のことを考え、どちらのパターンがよいかを決めていきます。ただ、総じて使いやすいのは、結論が先の企画書・提案書ということです。

結論が先の企画書・提案書では、最初の１ページ目で企画の全体像や概要を説明して、２ページ以降で１ページ目の概要を詳細に説明していきます。注意したいのは、２ページ目以降で、１ページ目のどこを詳細に説明しているかが分かりやすく対応していること。２ページ以降のページの順番も、１ページ目の説明順に対応していること。

結論が先の企画書・提案書は、使いやすく、プレゼンしやすく、相手の理解も得られやすいというメリットがあります。その結果、企画書・提案書の最終目的である、受注や成果を得られやすくなります。私どもでは、結論が先の企画書・提案書の作成代行を行います。