企画・企画書のヒント−“なぜ”から考える92−なぜ、お客様は神様なのか?
それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。
しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。
●なぜ、お客様は神様なのか?
お客様は大切なことを教えてくれるからである。
<見方>
「お客様は神様」という。本当にそうなのだろうか。なぜ、そういう言い方をするのだろうか。ワタミなどは、お客様を本当に大切にしていることがわかる。しかし、そうではない会社も多数ある。それは、詐欺的商法など、そもそもビジネスでないものを除いても、「お客様は神様」ではないというビジネスは多数ある。
例えば、銀行などもそうである。銀行は、基本的にはお金を借りてもらって、その利子で成立するビジネスである。しかし、すべてのお客様に、お金を貸すわけではない。だれもがローンでお金を借りられるわけではない。返済能力がある人のみである。つまり、銀行側が設定した条件に合う人のみが、お客様となりうる。
銀行だけでなく、デパートやレストランや自動車販売も、不動産販売も、そうであろう。だから、正確に言うなら「お客様は神様」なのではなく、「支払能力があるお客様は神様」なのである。そういう意味では、ワタミもその例外ではない。ワタミが経営する居酒屋やレストランで、飲食してお金を支払わなければ、「神様」から一転して「無銭飲食者」となって、つかまってしまう。
ただ、提供した商品やサービスに対して、お金を払うから「神様」なのか? 確かに神様は、正直な老人に、鉄の斧、銀の斧のほか金の斧まで上げた。そのおかげで、老人は幸せな生活を送ることができた。
しかし、ここで考えたいのは、神様が金の斧を老人に上げたのは、神様が老人の正直さに満足したからである。神様は、老人との出会いによって、大切なことを確認できたからである。
ビジネスにとって大切なことを教えてくれるのは、お客様しかいない。お客様から「すばらしいですね」「感動しました」「さすがですね」という言葉を頂ければ、うれしいし、仕事の意義や価値が確認できる。そして、やりがいが出てくる。
文句や苦情がくれば、それはどこが悪いのか、どう改善すべきなのかがわかる、貴重なアドバイスになる。そして、それを実行すれば、よりよい商品、サービスを提供できるようになる。
「お客様は神様」であるのは、自らの商品やサービスの価値や意義を認めてくれる、判断してくれる貴重な存在だからである。
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