1枚企画書・提案書には、大きなメリットがあります。1枚だけみれば企画提案内容がわかり、一覧性があるので全体を理解しやすいということです。つまり、どんなビジネスなのかがすぐにわかるというのが1枚企画書・提案書です。
1枚企画書・提案書には有名な逸話もあります。サッカーのJリーグ発足時に、本部のところにきた、たくさんの企画書・提案書の中で、1社だけ提出してきたA3・1枚企画書を川淵三郎チェアマンが一番わかりやすいと評価したという話です。1枚企画書・提案書はそれまでも使われていましたが、提案の形式として、世の中から俄然注目された出来事でした。
また、実際に、トヨタ自動車では、社内はもちろん、社外から提案する企業も、企画書はA3・1枚でというきまりになっていますし、同じような規定を設けている企業も何社かあります。
このように、実際ビジネスの現場で企画書・提案書は1枚でと決めている企業があることは、実際的、実践的に効果があると認められている証拠であるといえるでしょう。
1枚企画書・提案書は、1枚だけ書けばいいということから簡単に作れると思う人もいます。実際、1枚企画書・提案書は、だれにでも作れます。趣旨、目的、ターゲット、コンセプト、テーマ、実施内容という項目を設定し、書いていけばよいのです。その項目に沿って、1枚に上から並べまとめれば、1枚企画書・提案書になります。ただ、それでは、やはり素人が書いた1枚企画書・提案書です。
プロの中には「1枚企画書・提案書はもっとも難しい企画書・提案書」と言う方もいます。言ってみれば、1枚の絵を描くのにも似て、いくらでもこだわって世界を作ることができるからです。
1枚企画書・提案書のサイズは、A4またはA3を主に使います(かつてはB4で作ることもありましたが役所がA4を基本とした頃から少なくなり、今はなくなってしまいました)。A4とA3は、単純にサイズが2倍ですから、書ける量が2倍ということになりますが、使い方が違います。A4・1枚企画書・提案書は、ビジネスのアイデアを提示するときに使うのに向いていますが、A3・1枚企画書・提案書は、細かく書ける分、どんなビジネスにしていくかというビジネスの具体的な内容を提示するのに向いています。
つまり、ビジネスの最初の段階でこんなプランがありますというのに向いているのがA4・1枚企画書・提案書で、そこでOKがでたら、さらに具体的にしていくのが、A3・1枚企画書・提案書ということになります。ですから、既にやること自体決まっているケースでは、最初からA3・1枚企画書・提案書を出すこともあります。
1枚企画書・提案書を書くには、A4にしろA3にしろ、このサイズに、ビジネスの本質を詰め込もうという強い意識が必要です。A3はA4の倍の量を書けるといっても、やはり限られたスペースです。なので、伝えるべきこと、書くべきことを確実に絞り込み、盛り込まないといけません。
実際には、一見してすぐにわかるタイトル、流れがわかりやすいレイアウト、ビジネスの内容が理解しやすい表現の仕方など求められます。つまり、使う情報、データを見極め、取捨選択し、活用しながら、文字数までこだわった言葉遣いをして、ビジネスの見せ方を工夫しているわけです。
私どもでは、1枚企画書・提案書の作成も請け負っています。貴社のビジネスを1枚にしたいとき、それも素人の1枚企画書・提案書ではなく、プロの1枚企画書・提案書が欲しいとき、A4、A3サイズを問わず、ご相談ください。
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