自分の考えているビジネスを、だれかほかの人に伝えて、企画書・提案書を書いてもらうのは、簡単なようで結構難しい。企画書・提案書作成を受注する側からいえば、自分の考えているビジネスを伝えるのがうまい人とうまくない人がいるということです。そして、うまい人というのは少ない。
伝えるのが下手かどうかは、話をはじめてすぐにわかります。最初から要領を得ないのです。何をしたいのかがわかりません。そういう場合は、私のほうからポイントを絞り、ヒアリングすることになります。
うまい人というのは、当然、逆です。ポイントをおさえて話すからわかりやすいわけです。
ポイントといっても、難しいことはありません。目的、顧客(ターゲット)、コンセプト、実施内容です。簡単なポイントなのに、それをおさえることができていないわけです。その理由も簡単なことで、ポイントがわかっているか、ポイントを意識して話をしようとしているかどうかだけです。
ということは、本当は、自分の考えているビジネスを、だれかほかの人に伝えることは難しくありません。だれにでもできることなのです。難しいと思ったら、まずは簡単に考えてみるのは定石です。
そして、依頼を受けた企画書・提案書を作成するためには、ヒアリングした相手の話を、私自身がきちんと理解しているかどうかを相手に確認する必要があります。具体的には、聞いた話をわかりやすくまとめ、相手に提示することです。
提示して、もし相手が十分に説明できていなかったり、自分の理解が不足しているなら調整する必要があります。企画書・提案書を書き始めるまでには、このような事前作業が必要になるわけです。
通常、企画書・提案書作成のご依頼を受けると、こういった事前プロセスを踏みますが、このプロセスをスキップすることも可能です。発注する側が、目的、顧客(ターゲット)、コンセプト、実施内容をテキストで書いて、受注する側に渡せばいいのです。
これだけで、話が随分スムースに進みます。私はテキストを読み、趣旨、概要、詳細を理解します。不明な点があれば、聞きます。もっと欲しい情報があれば要望を出します。
企画書・提案書の作成を山登りに例えるなら、何もないところからヒアリングするのは1合目から徒歩で歩くようなものです。ポイントをおさえたテキストをいただくことから始めるのは、3合目までクルマで行って登り始めるようなもの。完璧にまとめられていれば5合目にも匹敵します。当然、早く確実に登頂できます。
どっちのやり方で発注するかは、発注者の忙しさや仕事のスタンス、やり方などにも関係します。1合目から始めるからこそ、アイデアが出てくるということもあります。しかし、早く確実に登頂したい場合は、テキストデータから始めるとよいでしょう。
テキストデータから始めると、面談しなくても進められますから、遠隔地からでもご発注いただけます。さらに、事前作業を大幅に省略化できるのでコストを抑えることが可能です。
テキストデータから始める企画書・提案書作成は、いろいろなメリットがあります。ご発注する1つのやり方として、ぜひ、ご検討ください。
私のクライアントにも、この方法でうまくやられている方もいらっしゃいます。ケースバイケースで使い分けている方もいらっしゃいます。
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