この本では「感性」のとらえかたが違っている。
人の購買行動は感性であり、
もしくは感性に従っているので、
感性をよく観察し、分析し、
マーケティングに活かしなさいということである。
著者は、この感性を「感性工学」という
研究領域にまで高め、研究、実践している。
本書は、その入門、紹介編といったところか。
一見したところ、あたりまえのフレームワークであるが、
それでも、本書でも書いているように、
実際のビジネスになると、
「売ろう」という意識ばかりになってしまって、
顧客の心と行動がなおざりにされ、
結果、売れなくなるという現実に陥りやすい。
だから、感性という言葉で顧客を捉えなおすことで、
ビジネスの基本的な視点を変えていけば、
ビジネスもうまくいく可能性が高まるのである。
この本は、ある日本酒の売上が30倍になった
酒屋の話から始まる。
最後のほうで、この居酒屋が講師になって、
酒屋向けのセミナーを実施する話が紹介される。
しかし、実践する人がほとんどいないので、
売上を伸ばせるのは少数にとどまる。
これは、実践することの意義のことである。
その通りだと思うが、
その売上が30倍になった内容が、
最後まで明かされない。
感性に基づきつつも、
実際は地道な方法なのだろうが、
トリックが明かされない推理小説のような、
読後感がある。
★4つ ★★★★☆
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