おじの親の代からやっているから、
少なくとも60年以上は営業している。
八百屋といっても、お酒、飲料のほか、
肉や魚、チルド、御菓子、お花も売っているので、
品揃えからすればコンビニのようだ。
小学生の頃、玉村の夏のお祭りには、
泊まりがけで妹と行ったものだが、
その時のお店は、当時の私にとっては、
とても大きく感じたものだ。
その大きく見えたお店も、最近行ってみると、
日頃大型店に慣れているせいか、とても小さく見える。
実際には、20坪ほどであろうか。
最近では、大型店の影響もあり、売上も落ちているが、
それよりも65近くになっての体力的な問題が大きい。
それでも、飲食店や学校向けの卸は続けるようだが、
2人いる息子も跡は継がない。
そして、幹線道路沿いにあるお店を壊して、
家に建替えるという。
この八百屋は、まさに昔ながらのお店なので、
おばの声はとても大きい。
このおばと母の姉妹が集まると、
その声と元気さは、すさまじい。
本当に、集まると嵐がきて、
いなくなると、嵐が去ったような感じになる。
それも、お店という空間では大きな声が必要であり、
お客への直接対応という対面販売が生み出したものであろう。
あと、うまいものを直接教えてくれる。
実際に自分たちで食べてうまい、おいしい、
カラダによいということを知っている。
だから、お店でも、お客みんなに
そういうことを教えている。
ブランディングによって構築されたマークやサービスは、
ユーザーにとって信頼感を高める効果はあるが、
やはりそればかりがビジネスでもあるまい。
ゴールデンウィークに母と行ってみたが、
もう終わりと思うと、感慨深いものがあった。
帰りがけに、おじがサントリーリザーブをくれた。
母が言うには、おじ、おばとも、
最近は疲れた顔をしていることが多かったが、
今日は、とても明るい顔をしていたそうである。
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