今さらながら表題の本を読んでみました。

神田さんの本で
最初に読むなら一番の？ベストセラーのこれでしょう。

読んでいると、とてもおもしろいです。
ぐいぐい引き込まれます。
一気に、２時間くらいで読めます。

それでいて、さすが「実践マーケッター」というだけあって、
実際のビジネスに使える情報がいっぱいあります。
私もこれにそって、すぐにでもやってみたくなります。

文章的に読ませる魅力もあるのでしょう。

やっぱりベストセラーなことだけはあります。

うん、しかしながらです。

この本はあまりにも危険でしょう。

それは、この本の中でも言っていることですが、
売ることの「科学」、つまり、
売りのテクニックの本であることに起因します。

私のように、神田さんの本を読むとしたら、
まず、この本から読み始める人が多いはずです。

結論からいうと、
売るテクニックは、とても重要なのですが、
テクニックにとてもこだわり、
テクニックで一回成功をおさめてしまうと、
テクニックにこだわったビジネスしかしなくなるという、
そういう人を大量に生み出す可能性がある、という本です。

例えば、いい学校に合格するために、
受験テクニックを身につけるということがあります。

でも、学ぶことは、
受験テクニックを身につけることとは、
違うものです。

同様に、会社を経営することは、
単に、売ることのテクニックを身につけることではない、
ということです。

神田さん自身は、
そのことを十分にわかっているのでしょうが、
この本だけを読むと、
会社を経営すること＝売ることのテクニック、と誤解する人が、
たくさん生まれてくるのは、容易に想像できるのです。

私は、売ることのテクニックを否定するつもりは、
さらさらありません。
とても重要なことです。
ただ、それだけになってしまってはいけないのです。

折りしも、自民党が大勝しました。
その理由はいろいろあるのでしょうが、
小泉首相の「郵政賛成・反対」という、
一見、あまりにもわかりやすい選挙、ということが、
その最大の原因ではないか、と私は思うのです。

儲かるためのテクニックが簡単にわかり、
会社を経営することは難しくないということが、
わかりやすいことはいいことなのですが、
簡単にわかってしまうことで陥る罠には、
もっと気を付けないといけないでしょう。

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