企画力とは何か? 企画力とは、世の中や人に対してプラスになることを考え、推進する力だと考える。そうだとすれば、それは、生命力、コミュニケーション力、情報力、直観力、洞察力、発想力、構想力、読書力、課題解決力、マーケティング力、創造力、企画書力、表現力、提案力、実行力、脳力などなど、いろいろな力の集合だといってよい。この前提で、企画力を高めるための考え方や実践について考えていきたい。
わかりやすい話から説明するなら、例えば「セミナーで2時間しゃべってください」と頼まれるとする。経験がないと「2時間もとてもしゃべれない」と尻込みする。でも、1時間もしゃべったことがない人でも、2時間しゃべれる方法がある。
それは、レジメを作って、1枚ごとに何分しゃべるかを綿密にシミュレーションすることである。1枚のレジメは必ず何分でいうふうに決めなくてもよい。このページは何分、このページは何分とシミュレーションする。それを足して2時間にするのである。
準備のはじめのうちは、50分とか、70分とか2時間には足りないものである。そうしたら、1ページの中で話す要素を増やす、あるいはページを増やすというふうにして、2時間にする。準備は大変であるが、自信も経験もないなら準備に時間と手間をかけるしかない。しかし、これなら確実に2時間話をすることができる。
物事には、やり方というものがある。スマートな言い方をすれば「フレームワーク」という言葉になる。考え方の枠組みだから、これを使うことによって、何かが明らかになり、課題や問題を解決する道標になる。パレートの法則や4P、3C、MECE(ミッシー)やロジックツリー、戦略マトリックスなど、さまざまなフレームワークがある。
しかし、これらを使いこなすには、ある程度の経験やノウハウが必要である。使い方を間違えると意味がない。初心者には使いづらい。
企画の場合、初心者向きでもあるが、ベテランにも必要で、汎用的で、もっとも基本となるフレームワークがある。5W3Hである。
通常は、When、Who、Where、What、Whyの5Wと、Howの1Hを加えた5WIHが多い。これに、いくら<How much>、どのくらい<How many>も加えた5W3Hのほうが企画には適当である。How muchはどのくらいの予算をかけるかという予算の問題、How manyはどのくらいの人数でという規模の問題である。
企画というのは、2時間しゃべるのと同じように、困難性を感じる作業である。ならば、まずこの5W3Hの要素を1つずつ考え、書いて、つぶしていく。そうすると、漏れがない企画の骨子が見えてくる。
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