いや、吉本隆明の写真がかわいい。
とくに、表紙の
ニコニコしながら
鉄アレーを持ち上げようとしている写真。
いつのまにか、
こんなに、かわいいおじいちゃんになっているとは。
内容も、かつての本には見られない、
チャーミングな記述がある。
例えば、「絶世の美人」をみると、
一日中、うれしくなるとか。
「絶世の美人」ってどういう人なのか、
思わず想像してしまう。
ほほえましいが
こんな、通俗的な話でいいのか、
という気がしないでもない。
ただ、全体として言えるのは、
老人というのは、若い人からはもちろん、
医者や看護師からでさえ、
理解を超えた存在であるということ。
そのことがわかっていないから、
先日の事件のように、
看護師が言うことを聞かないとかいって、
老人を蹴って殺してしまうのである。
なぜ、そうなってしまったのか、
答えは、この本にある。
そういう意味では、
老人のためだけではなく、
老人以外の人が読む老人の本になっている。
老人問題は、老人にしかわからない。
しかし、社会から引退してしまった老人には
語る術と場がないのである。
だから、代弁者として著者は語る。
★4つ ★★★★☆
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