地方における
大規模ショッピングセンターなどの
郊外化の進展による、
人々の「生活」の喪失が説明されている。
その背景には、
田中角栄の日本列島改造論以降の国土政策、
日米構造協議という国際政治、経済の影響、
都市政策における田園都市論、
クルマ社会の進展、地方活性化、
そして、日本国民全体の総中流意識などの要因があった。
しかし、その結果、「ファスト風土」という
均質化、匿名化した日本ができてしまった。
日本中、どこにいっても、
ジャスコがあり、同じロードサイドショップがあり、
その土地ならではの風土など少しもない。
同じブランド、
どこで作られたものかわからないものが売られ、
働いている人の姿は見えない。
その周辺には、高速道路があり、
人々は、どこからでもクルマでこれるし、
たくさんの商品の中から、
東京で売っているのと同じ商品を購入できる。
こういった郊外化は、
クルマという閉じた空間で移動し、
大規模ショップでの買い物行動になるから、
地域の人とコミュニケーションする機会もなくなる。
郊外化は、犯罪数の増加にもつながっている。
犯罪者は、高速道路を使って、
遠くからきて、
この匿名空間で犯罪をおこすのだ。
「ファスト風土」の、その病理は深い。
その対策をどうするか。
その土地で、働くこと、歩くこと、
コミュニケーションすること、
など「関与」することを増やし、
街の多様性を取り戻すことが大切であるという。
そうやって、
人々が生き生きとした姿を取り戻せるか。
最後には、それが模索される。
この本は、以下のような人にも向いている。
郊外化による大規模ショッピングセンターや、
ロードサイドショップの景観や買い物行動に、
あまり楽しさを感じない人。
かつての街にはもっと魅力があったと思う人。
本書を読むことで
その理由が、歴史的、社会的、文化的に、
明確になると思う。
#読書時間 3時間
★5つ ★★★★★
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