大リーガーのイチロー選手は、「オンリーワンという言葉はきらい、ナンバーワンにならなければいけない」というようなことを言っていました。野球という世界では、確かにそうかもしれないと思いつつ、イチロー選手は、確かにナンバーワンだけど、あの内野安打を量産するスタイルはオンリーワンでもあるのでは、などと思ってしまいます。
ビジネスの世界でも、ナンバーワンを目指さないとけないジャンルというのはあります。ナンバーワンになることで、強大なブランドロイヤリティを獲得し、それが最終的に大きな利益をもたらすというわけです。こういった世界は、大抵の場合、大きな市場ですが、小さな市場でも成り立ちます。
しかし、ナンバーワンでなくても、オンリーワンでも成立するのがビジネスの世界です。小さな企業や事業なら、むしろ、競争を避けて、勝てる分野を志向し、大企業では小さすぎて手を出さない市場や、小回りの利くサービスが必要な展開などで、勝負するほうが賢いともいえます。いわゆる、ブルーオーシャンとか、ニッチ、隙間を狙ったビジネスです。
ニッチ商品とは、特定用途、マニア向け、富裕層向け、特定エリア向けなど、市場や対象、ターゲット、地域を限定したり、商品やサービスの機能や価格、使い方を限定したものなどが該当します。
例えば、1つだけあげると、以下のようなものが挙げられます。すごいですよね、知っている人など、ほとんどいないと思いますが、世界シェアは90%です。しかも、過疎地での事業です。
光ディスク修復装置の世界シェア90%企業 鹿児島の町で奮闘
http://www.news-postseven.com/archives/20130122_167309.html
ニッチなビジネスの条件としては、ビジネスとして成立するだけの事業規模があることです。アイデアレベルならば、いくらでも生まれるニッチなビジネスですが、ただ、実際にやってみて、売れるかどうか、ビジネスとして成立するかどうかです。
いけるかどうかなど、だれにもわかりません。マーケティング力は必要だと思いますが、最終的には、動物的な勘みたいなものでしょうね。そしてやり抜く力。こだわり。あとは、売れる商品であっても、販売力や販売アイデアが優れているかどうか。とんとん拍子にいくことはあるでしょうが、大抵はそうはいかないものです。運や時流、お金、協力者なども、味方につけないといけません。
ニッチなビジネスは、ニッチを抜け出し、メジャーな商品に成長してしまうこともあります。事例はいくらでもありますが、パソコンOSなども、そうでしょう。始まりは、ほんと一部の人しか使ってませんでした。私なども早いほうでしたが、「オタク」と思われていました。今では、そんな見方をする人はいないほど、市場は大きくなってしまいました。
市場とは多様な世界ですが、ニッチな商品は市場の多様性に貢献します。また、市場は新陳代謝を繰り返していますが、ニッチな商品は、新の部分を担っています。ニッチなビジネスは、たとえ小さい市場であっても、とても価値があるといえるでしょう。大きな市場になっていけば、世界を変革したということになります。
私どもでは、ニッチなビジネスのお手伝いをいたします。新規事業立ち上げのための事業企画、ニッチなビジネスの営業企画、販売拡大のための販促企画などについて、企画面でサポートしてほしい、企画書・提案書を作成代行してほしいなどがありましたら、ご相談ください。
« Hide it