いささか乱暴な言い方ですが、
自殺とは個人が自分の価値を見出せず、
自ら殺すということでしょうか。
ところで、個人の価値とは、広義の意味で
他者(狭義では、他人とか自分が所属する集団や社会)との
関係性において存在するものであり、
自分の価値を見出せない人は、
この関係性を作ることができなかった、
ということになります。
インターネットでは、
自殺仲間を募集するサイトもあれば、
自殺を止める説得をするサイトもあります。
今回の事件のようなときは、
この自殺仲間を募集するサイトが注目され、
インターネットは、そのきっかけになっている、
というとらえ方がされているわけです。
ところで、この自殺をされた方は、
ブログをやっていたのでしょうか?
実際、当人たちがやっていたがどうかを私は知る術もありませんが、
リアル社会で自分の価値を見出せない人が、
もし、ブログをやっていて
インターネットでは自分の価値を見出せるとしたら、
それは、とてもよいことだと思うのです。
ブログは、掲示板やコミュニティよりも、
ずっと書き込みしやすいので、
リアル社会で居場所がない人でも、
自分の居場所を見つけやすいはずです。
そこで、自分の考えを書くことで、
気持ちが落ち着いたり、考え方の整理がついたり、
他人とコミュニケーションをすることで、
楽になったりして、
自殺を止めるきっかけになるかもしれません。
こうしてインターネットで自分の価値を見つけることができ、
それが、リアル社会に自分の価値を見出すことに発展していくかもしれません。
今回の話は、ビジネスとは一見関係ないような気がしますが、
例えば、無料ブログを提供している企業は、
さまざまなビジネス戦略を考えているとはいえ、
結果として、このような自殺をやめさせる機能=ブログを提供している、
ことになるのです。
私の知らないところで、
ブログは実際このような使い方をされているでしょう。
自殺の問題はそんなに簡単ではないかもしれませんが、
インターネットが自殺のきっかけになるのではなく、
自殺を止めるきっかけとして機能することを願うばかりです。
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